lochtext

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大阪都構想・橋下氏に関するメモ

・大阪府の財政は橋下氏の主張するように改善したか?
→大阪府の借金総額は増えている。ただし増加しているのは「臨時財政対策債」、つまり将来地方交付税交付金の形で国が払ってくれる(はず)の借金で、それ以外の総額は減少している。もちろん臨時財政対策債の償還に際して全額国が負担してくれるかどうかは不透明だが、「まやかし」「詐欺」とも言い難い。実際にコスト削減がどの程度行われたかは未知数。

https://sites.google.com/site/weneedthefact/basicinformation/financialcondition

・現状の大阪市は橋下・維新の会が主張するように最悪の状況になっているのか?
→都市全体の経済が悪化しているのは東京を除いて名古屋や京都・仙台など日本中同じ。ただその状況の中であえて日本国内に「第二極」を作りに行こうという姿勢。財務指標は橋下陣営がアピールするほど悪くはない。

http://www.ritsumei.ac.jp/acd/cg/law/lex/11-1/murakami.pdf
http://www.city.osaka.lg.jp/zaisei/page/0000003799.html

当面は市政改革に関する橋下氏の業績がアピールされるだろうが、公務員の給与削減などというごくごく小さな成果にあまり目を囚われているともっと重要な変化を見逃してしまう可能性がある。もっと重要な変化とは、つまり扶助費=社会保障の削減である。

全体の支出を見たときに最も切らなければならないのはどう考えても社会保障費だがそんなことを言っては「庶民の支持」は得られない。よって大阪市役所の改革・大阪都構想の実現で十分に実績を積んだ上で社会保障費の削減にとりかかる、というのが彼のプランなのではないか。

大阪都構想はどの程度現実的なのか? 本当にメリットのほうが大きいのか?
→東京タイプの地方自治体(広域自治体+区+それ以外の自治体)というタイプは先進国では東京以外ない。大阪都構想は東京タイプの地方自治体へと大阪府を変化させることを目標にするが、果たしてそれが本当に実現できるかは未知数。もっと政策が具体化してこないと大阪都構想のメリット/デメリット評価は不可能。ただひとつ言えるのは、大阪都構想は大阪を東京のような「勝ち組の都市」に変える(可能性がある)ということだ。その方向性をどの程度実現できるかは今後の具体的な政策にかかっている。

・今後の展望
→すでに国政も橋下・維新の会に協力ムード。大阪都構想はほぼ実現までのレールに乗ったと言っていい。ここから通常の議会などでの議論を通じて「大阪都構想廃止」に持っていくのは相当難しいだろう。となると、反橋下陣営が取れる戦術は
(1)橋下氏・松井氏を失脚させる
(2)より具体的な政策提言を行い、大阪都構想の中身が橋下陣営の思い通りにならないように/よりメリットあるものになるようにする
の2つだ。
 現状を見るかぎり(1)の手段として反橋下陣営がとっているのは「橋下氏の政治手法を攻撃する」「同・人格批判を行う」「君が代問題など世間一般の支持が得にくい部分を攻撃する」であり、これらは逆に橋下氏によって「抵抗勢力」のアピールとして使われるのみである。もちろん関西在住以外の人間にとって目につくのは橋下氏の強権・独裁的手法なのだから仕方ないが、もっと具体的な政策面での批判(とくに橋下府政の総括と彼の政治能力への懐疑)が充実してほしい。だが実際府民・市民の過半数の支持を得ておりこれからいっそう「勝者」「正義の改革者」としてテレビに現れるであろう彼を失脚させるには相当な努力が必要だ。
 それよりはむしろ(2)彼らの「大阪都構想」政策に現状中身が乏しいことを逆手にとって、橋下陣営が公務員改革などの「瑣末な」事項に気を取られているうちに、大阪都構想に関する具体的な提言を一つでもアピールする戦術のほうが有効ではないだろうか。むろんこれは橋下氏の用意した舞台の上で踊る行為であり、反橋下陣営にとっては危険極まりないリスクを取る行為のように映るかもしれないが、現実に大阪府民・市民のためになるのはこちらの方法ではないだろうか。最終的な結果が橋下氏の勝利に終わろうが失脚に終わろうがぼく個人としてはどっちでもいいのだが、多くの人間が期待をかけているのだから泰山鳴動してなんとやらは許されない。そしてその責任は反橋下陣営側にも明確に存在しているのだ。

大阪都構想以降の展開について
→橋下氏は今のところ自身の直接の国政への出馬は明確に否定している。これは賢明な判断で、もし橋下氏のような手法を取る人物が首相になったら外交上の混乱は避けられないだろう。
 また大阪都構想以降の計画として道州制を打ち出しているがこれは大阪都構想以上にメリット・デメリットが不明で、橋下氏自身もツイッター上で「日本の統治機構を白紙にする計画」と具体的な中身に乏しいことを暴露している。国の出方が見えないのでこの計画がどの程度実現に近づくかは不明だが、大阪都構想が失敗すればほぼ確実におジャンになるだろう。こちらは今のところ放置でいいのではないだろうか。