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lochtext

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ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q

結論から言うと、こいつは見た目ほどわかりにくくはないと思う。

テレビ版を鮮やかに再構成してみせた『序』、旧版の解釈を一新し爽快な青春モノに仕上げてきた『破』、そのどちらとも違う、全く新しいエヴァンゲリオン『Q』。おそらく序や破の爽快感を求めて劇場に来た人は度肝を抜かれたと思うし、あるいは旧作からの年季の入ったファンは「これこそが俺たちの求めていたエヴァンゲリオンなんだ」と思ったかもしれない。

『Q』はディスコミュニケーションの映画だった。登場人物たちは伝わらないことにもがき苦しみ、伝わってしまうことの虚しさにただ立ち尽くすしかない。それはきっと監督・庵野秀明にとっても同様で、また観客にとってもそうだった。、シンジのディスコミュニケーションに共感できた旧版と違い、この「観客にとってもディスコミュニケーションである」という部分が、旧版と『Q』とを分ける大きなポイントだと思う。アクションとか、新メカとか、キャラクター同士の掛け合いとか、いきなり浦島太郎で意味不明な脚本とか、要素ごとに語りたい部分はたくさんあるけど、そういうのを書くのはディスクが出たあとでいいでしょう。今は映画館で、このディスコミュニケーションを一緒に味わおう。そして、シンジ達が再び前に向かって歩き出すことを祈ろう。

「エヴァ」はくり返しの物語です。
主人公が何度も同じ目に遭いながら、ひたすら立ち上がっていく話です。
わずかでも前に進もうとする、意思の話です。
曖昧な孤独に耐え他者に触れるのが怖くても一緒にいたいと思う、覚悟の話です。
同じ物語からまた違うカタチへ変化していく4つの作品を、楽しんでいただければ幸いです。