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lochtext

http://us.battle.net/sc2/en/profile/2312833/1/lochtext/

竹内さんは「アップルはセコい」とか書きたかったわけじゃねーよ。当たり前だろ

iPhoneではアップルはフラッシュメモリを10倍高く売って儲けている」
http://d.hatena.ne.jp/Takeuchi-Lab/20131005/1380965039

この記事についたブコメがバカすぎてさすがに怒りを覚えたので書いてみます。

竹内さんのプロフィールをご存知の人は多いと思いますが、いちおう紹介しておくと、東芝でNANDフラッシュメモリを実用化したチームの一員でした。そういう方が、「アップルはフラッシュメモリを10倍の価格で売っている」と発言する意味はどこにあるのかって?

そりゃ、つまり「東芝がうまくやってればその利益は東芝のフトコロに入ってたんじゃねーの」ってことですよ。

今、携帯デバイスで中心とされる部品を牛耳っているのはクアルコムです。彼らは20年以上前から周到に準備を重ね、ついに高付加価値な「携帯電話向けチップ」という部分で首位を勝ち取ったのです。緻密な知財戦略と標準化戦略、そして本質となる強みを磨き続けられる経営手腕がソレを可能にしたのです。

翻って、東芝はどうですか? フラッシュメモリが出てきた時点で、「こいつが高性能化すれば未来の携帯デバイスにとってはこの技術が必須になる」と読んでいた人は確実にいたはずです。ではなぜ、「スマートフォンのストレージ」は、チップのように高付加価値な部品にならなかったのか? なぜ東芝は「ストレージ」という視点から未来のデバイスを支配するに至らなかったのか?

同じことは三洋/パナソニックのリチウムイオン電池や、直近で言えばシャープのIGZOにも言えます。なぜ彼らは、「電力供給ユニット」や「省電力FPD」という視点から、スマートフォンの世界を支配するに至らなかったのか?

もちろん、チップとストレージ/電池/ディスプレイでは、中心的な役割かそうでないかが違うということも言えるでしょう。しかしそういうふうに進化したのは、可能だった歴史の分岐のひとつでしかありません。ウィンテル以前のコンピュータの世界で誰が、"OSとチップこそが、最も重要かつ高付加価値な部分になる"と予想できたでしょうか? そうなったのは、彼らがそういうふうに市場を、技術を進化させたからに過ぎません。

東芝、三洋/パナソニック、シャープには、単にそれができなかったのです。

それができていれば、今頃竹内さんも東芝に残って研究を続けられたのかもしれません(本人がそう望んだかどうかはさておき)。きっと、そういう後悔を書きたかったのだろう、そういうふうに、僕はあのエントリを読みました。

国際標準化と事業戦略―日本型イノベーションとしての標準化ビジネスモデル (HAKUTO Management)

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