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lochtext

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法学部で道路交通法を教えるのが無駄な理由:L型職業教育大学に求められるものについて

我が国の産業構造と労働市場のパラダイムシフトから見る 高等教育機関の今後の方向性

はてなブックマーク - [PDF]我が国の産業構造と労働市場のパラダイムシフトから見る 高等教育機関の今後の方向性 : 2014年10月7日(火) 株式会社経営共創基盤 代表取締役CEO 冨山和彦


 昨日から局地的に話題のこのPDF、いろいろと粗はあるんですがいちばんまずいのは「職業教育」という概念を捉え間違えているところかなぁ、と。

 詳しくは芦田宏直先生の「努力する人間になってはいけない」を読んでほしいのですが、ざっくり言うと職業教育とは結局「カリキュラムによる積み上げ」なわけで、このPDFで語られるように「とりあえず求められそうな科目を入れてみました」でうまくいくようにはなっていないのです。

 そういう「社会人に対する研修」のようなやり方ではなくて、「実際に使える」スキルを積み上げるためにいかなる土台をつくるべきか、というのが本来の職業教育を論じるあり方であるべきで、それは文部科学省が上から言っても簡単には成果が出ないのだと思います(これに関しては内田樹先生も似たようなことを主張されていると思います)。



 その次にまずいのは「サービス業の生産性が低い」=「労働者のスキルが足りない」とイコールでつないでいるところで、これに関しては濱口桂一郎氏あたりも繰り返し批判しているところですが

 サービス産業では労働者の働きに対して報酬が少なければ数字の上では生産性は低い

 ということになってしまうのです。つまり、生産性向上のために労働者のスキルを上げようとか考えるよりはどうカネをうまく回すかを考えたほうが早い、労働者側ではなく経営者側が悪い、というのが正しい結論です。

 あるいは、マトモな労使関係が存在しない(同じく濱口氏の言う「ジョブもメンバーシップも労働者の固有の財産権としては確立していない世界」)ことに責を負わせるのも正しいと思います。




 もちろん冨山氏の分析・問題意識も正しいところはあるので、正確なところは彼の「なぜローカル経済から日本は甦るのか」を読んでいただければと思います。

なぜローカル経済から日本は甦るのか (PHP新書)

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